2014/11/07
西田です。
9/13~17にアメリカのシアトルで開催されたUbiComp 2014で発表してきました。
同時に開催されていた ISWC2014 の内容も合わせてご報告します。
UbiCompは「ACM International Joint Conference on Pervasive and Ubiquitous Computing」が正式名称で、ユビキタスコンピューティングに関する世界トップレベルの国際会議になります。また、ISWCは「International Symposium on Wearable Computers」の略で、ウェアラブルコンピューティングの国際会議(こちらもトップレベル)になります。
ユビキタス(ubiquitous)とは「同時に至るところに存在する」という意味です。 ウェアラブルデバイスの発展に伴って、今まさに「社会や生活の至る所にコンピュータが存在している」環境が現実になってきており、HOTな研究分野と言えると思います。
世界中からたくさんの研究者が集まっていました。
今回、"Probabilistic Identification of Visited Point-of-Interest for Personalized Automatic Check-in"(パーソナライズドされた自動チェックインのための訪問POIの確率的同定)というタイトルの論文を投稿しました。
我々が普段使っているスマートフォンにはGPSやWi-Fiが搭載されていて、これらのセンサから取得できる屋外・屋内の位置情報を使うと、ユーザが「だいたいどの辺に居たか」ということは簡単に分かります。
しかし、GPSやWi-Fiで取得できる位置情報は数十メートル程度の誤差があることと、多くの場所でスポットは密集して存在しているので、ユーザが「どのスポットに居たか」まで正確に理解することは難しいです。
そこで、今回は、(1) センサから分かる位置と滞在時間の情報、(2) ユーザ履歴から分かる趣味・嗜好、(3) 事前知識としてスポットの人気度を組み合わせてユーザの行動をモデル化することで、ユーザがどのスポットに滞在していたのかを高精度に推定するマイニング技術を提案しました。こうした技術により、パーソナルアシスタントサービスをより賢くしていくことが狙いです。
幸運にも、454本の論文の中から、フルペーパー(71本)としてアクセプトして頂けたので、シアトルにて発表してきました。
久々の海外での口頭発表だったので緊張しましたが、トップレベルの研究者たちとの議論は刺激的で、とても有意義な時間になりました。
難しい数式がたっぷり使われたデータマイニングの研究から、独創的なインタフェースの提案まで、幅広い分野のトップレベルの研究を見ることができ、とても良い体験になりました。
実は、来年の UbiComp と ISWC は大阪で開催されます!
すでにページも用意されています→ UbiComp 2015
研究職の方以外も、ユビキタスとウェアラブルの最先端の研究に触れる大チャンスですので、ご興味のある方はぜひ参加してください!
本記事をお読み頂きましてありがとうございました。