2015/11/18
苑田です。
2015年9月下旬に社内のカンファレンス派遣制度を利用して、
サンフランシスコで開催されたTechCrunch Disruptに参加してきました。
TechCrunch DisruptはテクノロジーメディアのTechCrunchが毎年主催しているイベントです。まだ発展途上であるスタートアップに焦点を当てている点が、大きな特徴となっております。
有名サービスのCEOや著名な投資家の前でプレゼンテーションを行い、最も優れたスタートアップを決める「Startup Battle Field」、Dropbox、GoProといったスタートアップ・メガベンチャー企業のCEOや、Y Combinatorなど日本でも名が知れたVCの方の貴重な話が聞ける「Fireside Chat」が、本イベントの目玉となっております。
今回、私達は上記のカンファレンスと、カンファレンスの前夜祭のような位置付けで行われるハッカソンに参加して参りました。本記事では、ハッカソンに焦点を当てて、皆様にご紹介致します。
尚、カンファレンスについては、本家のTechCrunchや日本語に翻訳されたTechCrunch Japanに詳しく掲載されております。
また、gooスマホ部でも、本イベントに参加した際の社内発表会の様子を記事にしておりますので、合わせてお読み下さい。
TechCrunch Disrupt SF 2015で感じた「世界との差」| スマートフォンはgooスマホ部
TechCrunch DisruptはTechCrunchが開催するイベントの中で、最も大規模なイベントです。
日本でもTechCrunchのイベントがありますが、TechCrunch Tokyoは「International City Conference」に分類され、今回参加したTechCrunch Disruptとは異なる扱いです。
このTechCrunch Disruptでは、毎回開催前々日から大規模なハッカソンが開催されます。
当日の詳細な模様に興味がある方は、下記で確認してみてください。
今回の会場はPier70というところでした。サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地AT&Tパークから南に約1kmのところに位置しています。
私の第一印象は、朽ち果てた廃工場……ではなく、巨大な倉庫でした。
錆びついた赤色の壁面と、ところどころに穴が空いた窓が印象深かったです。
10人がけのテーブルがずらっと並んでいます。1チーム1テーブルではなく相席です。
「Startup Battle Field」や「Fireside Chat」が行われる場所でもあり、ハッカソンの発表の場でもあります。
TechCrunchのテーマカラーである緑色と会場に流れるエレクトロニカルな音楽が非常にマッチしていました。
正確な数は数えておりませんが、約1,000人ほど着席できるほど、大きなイベントホールでした。
ハッカソンとカンファレンス、合わせて5日間となっております。
ハッカソンの細かいスケジュールは以下の通りです。
ハッカソンの席を確保した後、まず、私達はAPIを提供して頂ける企業ブースを訪ね歩きました。
ハッカソンの参加者は、APIスポンサー企業の有料のAPIを無料で利用することができます。
13:30頃、運営(TechCrunch)によるキックオフが行われます。
その後は、各チームもくもくと開発です。
イベント全日程を通して、飲み放題のドリンク、食べ放題のお菓子が並んでいました。氷やコーヒーもあり、至れり尽くせりです。
晩ご飯も、とても美味しかったです!何回でもおかわりできますよー!
朝ごはんはパンとフルーツ!こちらも取り放題です♪
夜中にはなんと!みんな大好きビール&レッドブルが支給されます!
それにしても、机の上が汚いですね……。
個性的なハッカーたちをピックアップしていきたいと思います。
まずは、基本中の基本、立ちながらコーディング!
こちらは家や職場でやられている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
24時間座っているのはとてもしんどいのです。
お世辞にも良い椅子とは言えませんので……。
気分を変えるために、立ちながらコーディングはありですよね♪
お次は、足伸ばしコーディング!
ノートパソコンで開発したことがある方は、一度はこの体勢を試してみたことはあるのではないでしょうか?私はよくベッドの上で足を伸ばしながら開発をします。
しかし、椅子を繋げて大空の下コーディングを行うというのは新しい!伸び伸びしたコードが書けそうですね♪
最後は、寝ながらコーディング……?
夜になると、寝ている人も多くいらっしゃいました。
「この人いつ寝ているんだろ?」と心配するくらいのスーパーハッカーがたまにいらっしゃいますが……、やはり彼らも人なのですね。
チームとしての一体感を出すために、gooロゴの入ったオリジナルTシャツを作成しました。
最寄りの空港から絶景の観光地近くの空港までの最安の往復飛行機チケットの値段を教えてくれるサービスを作成しました。
さらに、1クリックでチケット購入画面まで遷移することできます。
「憧れの絶景地まで、思ったより安い値段で行ける」というユーザ体験を提供することが狙いです。任意の空港から任意の空港までの最安の往復飛行機チケットの値段は、SkyscannerのAPIを利用して算出しています。
全体(24時間)の中の時間配分は以下の通り。ほとんど開発ですね。
PHP( CakePHP) + MySQLで作成しました。
エンジニアたるもの、サービスを見ると、どうしても開発環境が気になります。
今回のハッカソンで作成されたサービスの8割ほどが、ウェブサービスでした。その中で開発環境として最も多く採用されていたフレームワークが、Ruby on Railsです。
24時間という限られた環境の中で1つのウェブサービスを作り上げるには、Railsのような開発効率が高いフレームワークが適しているのでしょう。
こういったフレームワークのトレンドを見るのも、ハッカソン参加の楽しみの1つです。
私達が作成したサービスも、スマートフォンからアクセスされる想定をしていたのですが、時間内にスマートフォンアプリを作りきるまでには至りませんでした。
しかしながら、スマートフォンアプリまで作成したチームも当然いらっしゃいました。アプリとウェブでは、サービスのデザイン性や利便性などが大きく変わってきます。スマートフォンアプリまで作成できたチームは、総じて高く評価されていたように思います。
優勝チームは、Androidアプリを作成したQuickActionsです。
QuickActions | techcrunch.com
このアプリは、iPhone 6sの新機能3D TouchのAndroid版です。
Androidの標準ホーム画面から、通常だと3回以上タップしないと開けないアプリ画面に、簡単にアクセスすることができます。
アイディアも然ることながら、複雑な機能を持つスマートフォンアプリを
24時間で実装しており、スーパーハッカーとの差を感じました。
受賞したチームはアイディア・技術力ともに非常に優れていました。
ただ、参加した全てのチームがレベルが高いというわけではありません。
上はスーパーハッカーから下は日曜プログラマーまで、様々なレベルの人がハッカソンに参加します。
「海外のハッカソンはレベルが高そう」と考えている方。
TechCrunch Disruptのハッカソンに関しては、応募条件等に技術スキルは記載されておりませんので、過度に心配する必要はないです。
「英語でのプレゼンテーションに不安がある」と考えている方。
半分程度の参加者が原稿を持って登壇しておりました。私達のチームも原稿を持って読みながらプレゼンテーションを行いましたが、特に違和感はありませんでした。
それよりも、1分間でプレゼンテーションを終えることが重要です!本当に1分間で強制終了となりますので、プレゼンテーション練習は必ず行いましょう。
ハッカソンに最も大切なことは、ハックを楽しむ気持ちです!
是非、自信を持って参加して下さい!
サンフランシスコは東京よりも、やや北に位置しております。
「あまり緯度が変わらないから」
と、会場に上着を持って行かないと大変なことになります!
会場は暖房がついておりません。
(窓ガラスが割れている会場に、暖房がついているわけないですが……。)そのため、夜は自ら持ってきた上着を羽織りながら作業する必要があります。
特に、朝!
ただでさえ、寝不足で体力を持って行かれている中、四方八方から冷たい風が襲います。手がかじかむことは、もはや必然です。せめて、体だけでも暖めながら、開発を行うことをおすすめします。
先ほど、ハッカソンのスケジュールに関して
と、ご紹介したのですが、こちらのサービス概要提出が曲者です!
以上を入力する必要があるのですが、こんなに項目が多いとはつゆ知らず。
私達のチームは提出締め切り時刻の数分前に気づき、慌てて入力することとなってしまいました。その結果、各項目、ほとんど1文しか書けませんでした……。
こちらで入力したフォームは、審査員にはもちろん、ウェブ上にも公開されますので、渾身の文章を入力するようにしましょう。
後ほど他のチームの入力項目を閲覧したのですが、複数行に渡って、自分たちのサービスをアピールしておりました。
ハッカソンに参加して得た最大の成果は、エンジニアとしての自信です。
当然、凄腕のハッカーも中にはいました。ですが、私達の作成したサービスは、他の参加者のサービスと比較して、遜色ない出来であったとチーム内で振り返っております。
この自信を糧に、日本から世界へ発信できるサービスを作り上げていきたいです。
長文となってしまいましたが、再度までお読み頂きまして、
誠にありがとうございます。