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NTTレゾナントでのデータサイエンス専門チーム立ち上げの試み

2015/09/16

みなさん、こんにちは システム戦略担当の佐藤です。

今回はNTTレゾナント社内のサービス運営の課題を解決するために、データサイエンス専門チームを立ち上げ、様々なトライアルを実施した取り組みについてお話をさせていただきたいと思います。

各サービスの解析における課題

 NTTレゾナントでは、約80近くのサービスを運営しておりますが、各サービスで行われる施策は、各サービス担当で検討・実施されています。
基本的には各担当は受け持っている個々のサービスについての知識、競合サービスなどの知見を持っており、また各担当の各個人が独自に必要なスキルを身につけていき、そのスキルによって各サービスの運用が成り立っているという状況になっていました。
 この状況は各個人のスキルが高ければうまくサービスが回るのですが、サービス固有の各個人のスキルに依存したサービス運用となってしまっており、サービス毎に運用に大きなムラが発生してしまうという問題を抱えておりました。

データサイエンス専門チームを立ち上げ

 この問題を解決するためには、社内のスキルアップが不可欠であり、そのための手段として、社内にWeb解析の体系立った知識を持つ「データサイエンス専門家」から全社員へのスキルの展開を行っていく必要があると考え、社内で各サービス担当から独立したデータサイエンス専門チームを立ち上げる取り組みが行われました。

 「データサイエンス専門家」と言うのは簡単ですが、「データサイエンス専門家」といえる人材を揃えるのは簡単ではないため、まずは社内から若手社員をピックアップし、そのメンバーを専門家として育成していく、というアプローチが取られることになりました。私もこのデータサイエンス専門チームの一メンバーとなり、その中でたくさんのトライアルを行ってきました。

Web解析の体系立った知識取得

 始めにWeb解析の体系立った知識を得た人材となるためには、体系立った知識を持つための資格を取ることが近道であるため、社内施策の一環として、「上級Web解析士」と「GAIQ(GoogleAnalytics 個人認定資格)」の資格を取得することとなりました。
結果として10名が上級Web解析士、8名がGAIQを取得し、これらの資格を得ることにより、マーケティングの基本的なフレームワーク、GoogleAnalyticsの利用方法を学び、基礎を固めることができました。

 また、知識を得ることと並行して、実サービスの解析をGoogleAnalytics等のデータを元に行いました。データサイエンス専門チームのメンバーの中には、担当サービスを持つ方もいますが、あえて先入観をなくし、データを基に仮説を立てていく「データドリブン」の考え方を徹底していくことで現在進行で少しずつですが個人のサービス知識に依存しない解析を行っていけるようになっていっていると実感できています。
そして、ここで資格取得で得た知識とこれまで行ってきた解析方法をまとめ、解析の雛形を作成し展開することで、全社員が同じ解析を実施できるようにしていこうとしています。

知識の取得から共有へ

 知識の共有は雛形の作成だけに留まりません。GoogleAnalytics の基本的な利用方法を展開するためのセミナーや、また、今まで各サービスが個別に行ってきた解析手法やデータサイエンス専門チームが行ってきた解析について共有するための知識共有会を行い、更にその内容をまとめたナレッジ共有サイトを作成し、社内スキル向上につながる活動を行ってきました。

以上の活動の中で、資格を取ることによって得た解析手法を用いてサービスの解析を行い、施策を検討・実施した結果、一部のサービスでPVが1.5倍となるなど、数字での成果を上げることができました。

まだまだ数値での成果は少ないのですが、これから更に数値での実績をあげていき、社内から頼られ、無くてはならないチームとなっていくべく、がんばっていきたいと考えています。